カナダ歴10年のCollie(コリー)です。
私は2021年に、カナダで娘を出産しました。そして娘が生後6ヶ月の頃に、日本のパスポート取得のための手続きを行いました。
そこで今回は、海外で生まれた子供の日本のパスポート取得について、私の体験談と共に分かりやすく解説します。
- 手続きの方法や必要な書類
- 載せられる苗字・名前
- 取得にかかる時間の目安
- 気を付けるべきポイント
改めて最新情報をリサーチしたので、みなさんのパスポート取得に対する疑問が少しでも解決できると嬉しいです。
※公式情報を元に細心の注意を払って掲載していますが、最終判断はご自身でお願いします。
パスポート申請!その前に…
戸籍に名前があるか確認しよう
当たり前じゃん!と思われるかもしれませんが、日本のパスポートを取得するには、日本人である必要があります。
つまり、既にお子さんが日本国籍を持っている(=戸籍に名前が載っている)ことが前提。
まだ日本国籍を持っていない場合は、まず国籍の取得に必要な手続きを行いましょう。
カナダ歴10年のCollie(コリー)です。 私は2021年にカナダで娘を出産。その後すぐに、娘が日本の国籍を取得できるように手続きを行いました。 出産後は体も辛いし、寝不足で精神的にも大変ですよね。そのため、出産前にできるだけ準備して[…]
時間に余裕を持って準備しよう
一時帰国の時期が決まっている方は、その3か月前には申請準備を始めておくと安心です。
なぜなら準備段階からパスポートの受け取りまで、最低2か月は見ておいたほうが良いからです。
- 戸籍謄本の取り寄せ(2週間~)
- 書類の準備・提出(1~2週間)
- 受け取りまで(2~4週間)
※かかる時間は目安です。
過去に在外公館でパスポートの新規作成や更新を行ったことがある方は、5日~1週間程度でパスポートを受け取れていたかもしれません。
それはなぜかというと、各在外公館でパスポートを印刷していたから。
しかし2025年3月以降、全パスポートが日本国内でのみ印刷可能と変更になります。
日本で印刷→各在外公館に郵送という手順が加わったことで、海外在住者がパスポートを受け取れるまでの日数が大幅に伸びたのです。
居住国のパスポートも取得しよう
実はお子さんが重国籍の場合、「日本のパスポートだけ取得して、いざ日本へ一時帰国!」というのはリスクが非常に高いです。
なぜなら、多くの国が「我が国の国籍を持つ者は、我が国のパスポートで出入国する」と定めているから。
例えば私の娘はカナダ在住で、カナダ+日本の二重国籍です。
そんな娘が日本のパスポートだけで一時期国しようとすると、カナダ出入国の際にトラブルになる可能性が高いのです。
これは各国の外務省、行政書士、大手旅行会社などが出している情報です。
居住国の国籍も持っている場合、その国のパスポートも取得して、渡航時には両方のパスポートを持参するようにしましょう。
日本のパスポート取得のステップと必要書類
ここからは、海外在住だけど日本国籍を持つお子さんが、初めて日本のパスポートを取得するためのステップを紹介します。
- 戸籍謄本を取り寄せる
- オンライン申請/必要書類の提出
- 在外公館でパスポートを受け取る
戸籍謄本を取り寄せる
パスポートの新規作成には、戸籍謄本の原本を在外公館に提出する必要があります。
日本にいる代理人(家族など)に頼めるとベストですが、海外から郵送で請求することも可能です。
お子さまの戸籍がある本籍地のホームページへ行き、請求方法を確認してくださいね。
オンライン申請/必要書類の提出
海外でパスポートを新規申請する際は、基本的に以下の書類が求められます。
- 一般旅券発給申請書
- 戸籍謄本(原本)
- 写真(縦45㎜、横35㎜)
- 居住国の滞在資格証明(Birth Certificateなど)
- 手数料(12歳以下は6,000円前後)
海外在住の方はオンライン在留届を提出していれば、オンラインでのパスポート申請が可能です。
ただオンラインでのパスポート申請は、「新規申請には向いていない」という声もあります。
なぜなら新規申請の場合、原則は在外公館に戸籍謄本の原本を直接持っていく必要があるからです。
その際に、申請書など他の書類も一緒に提出するほうが楽かもしれません。
基本的にオンラインでパスポートの新規申請をした場合でも、その後在外公館から「戸籍謄本の原本提出」のために来館を求められることになります。
詳しくは管轄の在外公館に確認しましょう。
在外公館でパスポートを受け取る
無事に申請が終わると、あとは在外公館からの連絡を待ちます。
前述のとおり、今までは1週間前後で受け取れていたパスポートですが、2025年3月以降は2~4週間はかかると考えましょう。
受け取りは、パスポートの名義人本人が在外公館に出向く必要があります。生後数か月の赤ちゃんであっても同じです。
Q&A
日本のパスポート取得について、私も疑問に思った点をQ&Aにまとめました。
- Q:パスポートに、戸籍には無い姓や名を載せるのは可能?
- 例外的に可能です。パスポートの氏名は「戸籍の氏名をヘボン式ローマ字にしたもの」が原則。ただし外務省によると、国際結婚や重国籍が理由の場合、戸籍に載っていない姓名をカッコ書きで追記可能とのこと。(例:日本の戸籍は山田太郎、カナダでは John Brown と名乗っている場合、パスポートには姓:Yamada (Brown) 名:Taro (John) と記載可能)
- Q:パスポートの姓と名のスペルは、自分で決められる?
- 例外的に可能です。海外で日常的に使用しているスペルにしたい場合、出生証明書などの提出により、ヘボン式ローマ字以外のスペルが使用可能です。(例:戸籍がスミスサラの場合、ヘボン式ローマ字だとSumisu Sara になるが、パスポートの姓名は Smith Sarah と記載可)
- Q:パスポートが届く前に、フライト予約をしても良い?
- 基本的には可能です。航空会社や旅行会社によりますが、予約時にはパスポート番号が不要なケースが多いからです。ただし予約時に入力した氏名は後から変更できません。パスポートのスペルと一致するか、事前に確認しましょう。
余裕を持って申請しよう
海外で生まれた子供の日本パスポート取得について、大事なポイントを再度まとめます。
- まず戸籍に名前が載っているか確認
- 2025年3月以降はさらに早めに申請
- 姓名のスペルはヘボン式ローマ字以外も使用可能
- 居住国のパスポートも取得する
(居住国の国籍も持っている場合)
この記事で、お子さんのパスポート申請についての不明点が、少しでも解決できていると幸いです!
※最新の注意を払って掲載していますが、最新情報は外務省や管轄の在外公館のホームページをご確認ください。