カナダ歴10年のCollie(コリー)です。
私は2021年に、第一子となる娘をカナダで出産しました。
少し前の記憶にはなってしまうのですが、その時の体験記をせきららに書いていこうと思います。
私は日本での妊娠・出産経験はありません。そのため、日本で2度出産した姉の話やネットの情報を元に、日本と海外の違いにも触れています。
もちろん海外と一言で言っても、国や地域、病院や個人の状況により、異なる点はたくさんあります。なので、ぜひ参考程度に読んでくださいね。
海外で妊娠・出産を迎える方に、少しでも役立てると嬉しいです。
※専門的な情報は最新の注意を払って掲載していますが、間違いがあればコメントで教えていただけると嬉しいです。
カナダでの妊娠・出産の時系列
まずは簡単に、妊娠が分かってから出産までの経緯をまとめました。
妊娠4週
薬局で買った妊娠検査薬で陽性反応。
妊娠5週
ファミリードクターを訪問→紹介状をもらい血液検査へ。
かかりつけ医。基本的にカナダでは、ファミリードクターもしくは誰でも診てもらえるウォークインクリニックからの紹介状がないと、産婦人科などの専門医に会うことはできない。
妊娠7週
1回目のエコー。心拍確認と予定日計算が主な目的。
妊娠12週
2回目のエコー。染色体疾患(トリソミーなど)のリスク把握が主な目的。
妊娠16週
ファミリードクターが紹介してくれた産婦人科医と初対面。
妊娠18週
3回目のエコー。胎児の状態を念入りに確認する胎児ドッグ。
妊娠18~22週の間に行われるエコー。胎児の大きさはもちろん、各臓器が正常に機能しているか、四肢の状態はどうかなど、約45分かけてじっくり行われる。
妊娠24週
妊娠糖尿病検査(グルコーステスト)。
Glucose Tolerance Testと呼ばれ、妊娠24~28週の間に行われる。50gのブドウ糖を含むドリンクを飲み、1時間後に採血。血糖値が基準値を超えた人は後日2回目の検査を行う。
妊娠20~28週
産婦人科医を月に1回訪問。
妊娠28~36週
産婦人科医を2週間に1回訪問。
妊娠36~39週
産婦人科医を1週間に1回訪問。
妊娠39週目
予定日3日前に総合病院で娘を出産。翌日退院。
ここまで読んで、「エコーって英語でもエコー?」「胎児ドッグって英語で何?」など疑問に思われた方は、ぜひこちらの記事も参考にしてくださいね。 カナダ歴10年のCollie(コリー)です。
私は2021年にカナダで第一子を出産しました。英語には、それなりに自信があった私。なのに…!
妊娠が分かって以来、お医者さんやエコー技師さんから聞く単語の多くが、ナニソレ状態だったのです。
[…]
海外での妊娠・出産における日本との違い
あくまでカナダの話にはなりますが、日本で一般的に行われる妊婦検診や出産との違いを考えてみました。
日本については、ネットの情報および日本で2回出産を経験した姉の情報を参考にしています。
- エコーの回数が少ない
- エコーと妊婦検診は別の場所で行う
- 出生前診断(NIPT)が低価格
- 無痛分娩が無料
- 出産後1~2日で退院
エコーの回数が少ない
私の場合、お医者さんから案内されたエコーは、計3回のみでした。
- 妊娠6~7週(心拍確認)
- 妊娠11~13週(染色体疾患の確率を計算)
- 妊娠18~20週(胎児ドッグ)
日本のように妊婦検診のたびにエコーを見て「順調に大きくなっていますよ~」ということはしません。
後ほど詳しく書いていますが、カナダでは基本的に妊娠・出産すべてが無料。そのためエコーも必要最低限が原則なようです。
ただし出血や痛みがあったり、上記のエコーで心配事が見つかったりしたら、より頻繁にエコーをしてくれます。
私も妊娠初期に出血があったときに1回、胎児ドッグで胎児が小さめと言われたあとに2回、上記に加えて計3回のエコーをしてもらいました。
不安なことがあれば、お医者さんに伝えるのが大切。ファミリードクターもしくは担当の産婦人科医に連絡すれば、エコーのための紹介状を書いてくれるケースが多いです。
エコーと妊婦検診は別の場所で行う
日本では妊婦検診のたびに、産婦人科医がエコーをしてくれると思います。
一方で私の産婦人科医のクリニックには、エコーの機械はありませんでした。複数の友人に聞いても、同じでした。
カナダにはエコー専門の施設が多くあり、エコー技師がエコーを担当します。そしてエコー技師が検査結果を患者に直接伝えることは、基本的に禁止されています。
エコー技師がエコー写真を担当医に送り、担当医から患者に結果を伝えるのが一般的。
各医療従事者の専門性が高いのは、大きなメリットだと感じます。
一方で結果を聞くのに数日は待つこと、また日本では1か所で済む検査のために2~3か所に足を運ぶのは、デメリットかもしれません。
出生前診断(NIPT)が低価格
カナダでは、全妊婦さん対象の12週目のエコー+血液検査で、特定の染色体疾患(トリソミー)のリスク計算が行われます。
通常は2本である染色体が3本になる疾患。13番、18番、21番目の染色体に起こることが多く、最も発生頻度が高い21トリソミーはダウン症として知られる。
どのようにリスク計算するかというと、エコーで測るNT(首の後ろのむくみ)の大きさ、母体の年齢、血液検査の結果などを照らし合わせます。詳しくは カナダの総合病院が運営するサイトを確認してくださいね。
そしてこの検査よりも確実なのが、母体の血液検査で胎児の染色体を調べる出生前診断(NIPT)です。こちらはカナダでも無料ではありません。
ただ日本では20万円前後かかるのに対して、カナダでは5万円前後と低価格でした。
無痛分娩が無料
カナダのオンタリオ州では、カナダ国民や永住者全員が、OHIPという州の保険に加入できます。OHIPを持っていると、出産のみならず、すべての妊婦検診やエコー検査が無料になります。
無痛分娩も、OHIPでカバーされるため無料です。カナダでは経腟分娩で出産する人のうち、7割以上が無痛分娩を選択していると言われています。
出産後1~2日で退院
日本では、出産後の入院が1週間弱というケースが多いですよね。
カナダでは経腟分娩だと翌日、帝王切開だと2~3日後に退院が一般的。こちらもすべて無料だからこそ、経費を最大限削っているというのが私の予想です。
ただ退院は早いものの、新生児の間は出産した病院もしくは小児科医で1週間に1回ほど赤ちゃんを診てもらえます。
私も最初は1日で退院と聞いて不安が大きかったのですが、自宅のベッドで休みたいという思いから、結果的に翌日の退院で良かったなぁと思いました!
海外での妊娠・出産を安心して迎えるために
カナダでの妊娠・出産の時系列、そして日本との違いをまとめました。
私も初めての妊娠・出産を海外で迎えることに、最初は不安がいっぱいでした。特にコロナ禍だったので、日本の家族に来てもらうこともできず、人にもほとんど会えず…。
ただ私の場合、ファミリードクター、担当の産婦人科医、出産を担当してくれたナースやお医者さんが本当に良い人ばかりで、カナダで出産できて良かったと心から思えました。
この記事が、これから海外での妊娠・出産を迎える方に少しでも役立ったら嬉しいです。
そしてこちらの記事では、私が妊娠・出産前に知りたかった英語と例文を、音声付きで紹介しています。頭に入れておくだけでも、少し不安が和らぐと思います。
カナダ歴10年のCollie(コリー)です。 私は2021年にカナダで第一子を出産しました。英語には、それなりに自信があった私。なのに…! 妊娠が分かって以来、お医者さんやエコー技師さんから聞く単語の多くが、ナニソレ状態だったのです。 […]
また「私の海外での妊娠・出産はこんな感じだった」「日本はこうなんだよ~!」など、ぜひみなさんのご意見や体験談もコメントで教えてくださいね。