Wise(ワイズ)は従来の国際送金に比べて本当にお得なのか検証

カナダ歴10年のCollie(コリー)です。

私は8年前から、日本⇔カナダの送金に Wise(ワイズ、旧 TransferWise)を利用しています。

カナダに来た当初は直接、銀行から銀行への国際送金を行っていました。でもある日 Wise がお得だという話を耳にして以来、Wise 一択です。

しかし先日、海外移住した友達に聞かれたんです。

「Wise の登録が面倒臭くて…本当に通常の国際送金より、お得で速いのかな?」

 
Collie
そう聞かれると、確実に答えられないなぁ…

そこで今回、まったく同じ条件で比較するため、同じ日の同じ時間に2つの方法で日本→カナダにお金を送ってみました!

  • 従来の銀行間同士の国際送金
  • Wise を利用した送金

結果としては Wise が約6%お得でした。また従来の国際送金だと5日後にお金を受け取れたのに対して、なんとWiseはその日中に受け取れたんです。

※以下「ドル」と記載している通貨は「カナダドル」を指します。
※検証は日本→海外の送金ですが、海外→日本も基本は同じです。

Wise(ワイズ)とは

Wise_ワイズ_海外送金_比較

2011年創業、国際送金のあり方を変えたとも言える Wise。

2024年の現在は似たようなサービスが多く出回っていますが、Wise は今でも世界最大規模の国際送金ツールです。

では Wise などのサービスが開発される前、日本⇔海外への送金はどのように行われていたのでしょうか?

従来の国際送金とは

Wise_ワイズ_海外送金_比較

日本の銀行(例:ゆうちょ、三菱UFJ、楽天銀行 等)から海外の銀行に送金をする場合、どこかで必ず「外貨への両替(円→ドル等)」が行われます。

Wise_ワイズ_海外送金_比較
ゆうちょで従来の国際送金を行う場合

そのため、このような料金が上乗せされるのです。

  • 日本の銀行による、国際送金の手数料
  • 海外の銀行による、国際送金の受取手数料
  • 正式な為替レート+数%
  • (第三の仲介銀行による手数料)
為替レートとは

世界中の異なる通貨を交換、売買する際に適用される比率。1日に何度も変動あり。

日本では、日本銀行が正式な為替レートを発表しています。
しかし従来の国際送金を行う場合、送り元の銀行が独自の為替ルートを設定しているのです。
Wise_ワイズ_海外送金_比較
ゆうちょの為替ルート

この日の正式な為替レートは、1ドル=105.365円でした。でも、ゆうちょは1ドル=107.95円としています。

つまり従来の国際送金では、正式な為替レートに2.5%ほど上乗せして支払う必要があるのです。

Wise(ワイズ)の仕組み

Wise_ワイズ_海外送金_比較

一方で Wise を使って日本から海外にお金を送る場合、実はどこでも「両替」が行われていません。

Wise は世界規模の会社で、世界各国に「独自の銀行口座」を持っているんです。もちろん日本にもあるし、カナダにもあります。

そして Wise はその各国の銀行口座に、おそらく大量の現地通貨を保持しています。

そのため Wise を使って日本→カナダにお金を送る場合、お金はこのように動くのです。

  1. 私の日本口座 → Wise の日本口座
    (円→円)
  2. Wise のカナダ口座 → 私のカナダ口座
    (ドル→ドル)

私の日本口座→ Wise の日本口座に入金が確認でき次第、その日の正式な為替ルートで、Wise は独自のカナダ口座から私のカナダ口座に入金してくれるのです。

一度も両替が行われていない理由、理解いただけたでしょうか?

このような仕組みのおかげで、ゆうちょが正式な為替レートに数%上乗せするのに対して、Wise を使えば正式な為替レートで国を超えて送金ができるのです。

Wise_ワイズ_海外送金_比較
Wise のレートは正式な為替レートと全く同じ

そのため、Wise を利用して日本から海外にお金を送る場合、選ぶのは「国際送金」ではなく「振込」です。

Wise_ワイズ_海外送金_比較

ゆうちょにとっては、このお金が最終的に海外にたどり着くことは関係ないのです。日本のオンラインショッピングで振込決済を行うのと同じで、Wise が持つ日本の口座にお金を振り込むだけなのです。

Wise で送金する

Wiseと従来の国際送金を比較

ここからは、私が同じ日の同じ時間帯に、1,000ドル分を日本→カナダに送金した検証結果です。

この日のこの時間帯の正式な為替ルートは、1ドル = 105.365円でした。

  Wise 従来の国際送金
1,000ドル 105,365円 107,950円
手数料 165円(ゆうちょの振込手数料)
815円(Wiseの手数料)
3,000円(ゆうちょの国際送金手数料)
合計金額 106,345円 110,950円
受け取り 同日 5日後

結果は1,000ドルを送るのに、Wise を利用したほうが4,605円安く済みました。

またカナダの口座にお金が届くまでにかかった日数に、大きな違いがありました。Wise ではその日中に振り込まれたのに対して、従来の国際送金は5日後でした。

さらに Wise では実際に1,000ドル振り込まれたのに対して、従来の国際送金では975ドルになっていました。

従来の国際送金では、仲介銀行やカナダの銀行によって、追加で25ドルが手数料として引かれていたのです。

結論:Wise のほうがお得で速い

私の検証結果では、約10万円分を海外に送る場合、Wise を利用することで約6%お得になりました。

これが100万円など大きな数字になると、手数料の差こそ小さくなりますが、為替レートだけでも2~3万円の差が出てきます。

もちろん各銀行によって、国際送金にかかる手数料や為替レートは異なります。ただし、Wise のほうが従来の国際送金よりお得で速いことは間違いないでしょう。

その理由を、再度まとめます。

  • Wise は各国に独自の口座を持つ
    =世界中の通貨を保持している
  • 銀行が外貨両替を行う必要がない
  • 銀行にとっては国内の振込・受取と同じ

Wise は一度登録してしまえば、2回目以降の利用がかなり時短になります。私のように慣れてしまうと、1分以内で手続きが終わります。

今まで従来の国際送金を行っていたという方は、この機に Wise を利用してみてはいかがでしょうか?

今回の検証は日本→海外への送金でしたが、Wise のほうがお得なのは海外→日本への送金も同じです。

円安の今、一時帰国用などに海外→日本への送金を行っておくのもひとつの手だと思います。

Wise で送金する